@naota344の今週のLKML
今週は
- [PATCH] PM: HIBERNATION: add resume_wait param to support MMC-like devices as resume file
- [PATCH v4 10/10] x86, efi: EFI boot stub support
[PATCH] PM: HIBERNATION: add resume_wait param to support MMC-like devices as resume file
http://permalink.gmane.org/gmane.linux.kernel.mmc/10326
新しく resume_wait というカーネルパラメータを追加しようというpatchです。
これはハイバネートからの復帰データをSDカードなどに置いている時に使われます。SDカードなどはだいぶ遅れて検出されるのでその検出までハイバネートからの復帰を遅延させよう…というわけですね。基本的な考え方としてはrootwaitと同じになります。
[PATCH v4 10/10] x86, efi: EFI boot stub support
カーネルにEFIからのbootをできる機能をつけよう、というpatchです。
たとえば EFI Shellからこんなふうに起動ができるようになるようです。
Shell> bzImage console=ttyS0 root=/dev/sdb initrd=initrd.img
ただこのpatchはあくまで「EFI bootの開発とカーネルの開発のすきまをうめる」ためのもので、ようするにこのまま機能拡張をしていく、というつもりはないようですね。BIOSからブートしていた時もカーネル内にブートの例があったのでいろいろうまくいったよねーということでEFI bootも入れようということのようです。
このbzImageは一見普通のbzImageに見えて、ヘッダのあいてる(予約されていない?)ビットに細工をしていて、 EFI のFirmwareとしても認識されるようになっています。すると EFI Shellから読みこまれてエントリポイントにジャンプするようになる…わけですね。
http://permalink.gmane.org/gmane.linux.kernel/1196990
実際、MacBookAir3,1で試してブートできた人もいるようです。なかなか面白いですね。
[PATCH 0/6] cgroup: add isolation_root flag, poor man's namespaces for cgroups
http://permalink.gmane.org/gmane.linux.kernel/1197643
cgroup に isolation_root というその cgroupを分離するフラグを追加するpatchです。
この機能を有効にすると
- このグループ内のプロセスは分離されたグループがトップレベルのグループに見えるようになる
- この中でcgroupをmountすると別の分離されたcgroupができる
という廉価版namespaceのようなものになっています。
この機能はなにに嬉しいのでしょうか? たとえば lxc (linux container)で sysmtemd を使うケースを考えてみます。 systemdにはサービスごとに?cgroupを作る機能があるので、このカーネルpatchの機能を使えばその機能をシームレスにsystemd側に変更なしに使えるようになるわけですね。
残念ながらまだ返信がついていませんがなかなか面白いパッチだと思います。